過去短編3本、Kindleでリリースしました。(11/17)

改めましてのお知らせになります。
以前「パブー」で販売していた短編小説の電子書籍を、Kindleで装いあらたにリリースいたしました。

「グラジオラス」
「結晶」
「スイカの秘密を知ってるメロン」

の3本です。1本99円で販売、KindleUnlimitedにも入れているので、アンリミ入っている方なら読み放題で読むことができます。
よろしくお願いします〜。
パブーでのリリース時にもやったけど、またも1本ずつ紹介していきますね!

「グラジオラス」

田舎に住む高校生・まに子には、毎年五月に密かな楽しみを持っている。それは片思い相手の男の子・中原きりおが家の裏の田んぼに苗を植える姿を一日中盗み見ること。晴れた空、空の色をくっきりと映す田んぼ。その境界線で田植えをするきりおは空を渡る天使のようだった。
しかしきりおは十五の夏に事故で死んでしまう。眺めるだけの片思い相手だったきりおを失い、まに子が選んだのは、空想の中できりおを生かすことだった。晴れた夜には中原家の田んぼに通い、星空の下できりおと過ごす日々を思い描くまに子。しかし、その先で彼女を待ちうけていたものは――。

2003年に「群像」の増刊「エクスタス」に掲載してもらい、その後講談社さんから出た『ブルースノウ・ワルツ』という単行本に収録された作品です。とっても昔の話DANE!! 03年というとこのブログにすら告知記事がない。ブログサービスの夜明けくらい!
「エクスタス」ちょお懐かしいよ……。5号しか出なかったけど、エッジィなファッション誌の中に小説やアートが混じってるみたいな、新しい試みの雑誌でした。そこに呼んでもらって嬉しかったなあー。本当に初期のご依頼だったし! 雑誌の仕事としては、デビュー後3作目とか4作目とかそのくらいだと思います。
担当さんに初稿を出したら40枚を11枚くらいまで削られて「こっから先要らないから」と言われたのもマジでよい思い出。ちゃんとした雑誌で漫画を描こうとしたら最初のうちはこれくらいの直しが入るだろう……と漫画家志望だった時に考えていたのとちょうど同じくらいの指導だったので。
そういう思い入れがあって、単行本が絶版かつ文庫が出ない状態になってもこのお話は大事で、「いつか絶対セルフ出版しよう!」って思ってた気がします、そうとう初期から。
今回5年ぶりに読み直したら結構「きゃっ///」ってなったけどw 若い……。現役女子高生の時に草稿書いたやつだから本当に若かった。。。

「結晶」

美男子というよりはファニーフェイス、でもストリート系ファッション誌の女の子モデルみたいにかわいくてそっけない雰囲気のあいつ。同じ中学に通っていた頃には何の接点もなかったあいつ。けれども上京後に再会し、同郷の人間だと名乗ったらものすごく食いついてきて――。
ファッション業界に憧れ、出版社への就職を目指す大学三年生・大原えりと、通販雑誌やヘアカタログにたまに載る程度の駆け出しメンズモデル・坂田久遠。えりは、渋谷で夜の八時に待ち合わせても目に飛び込んでくるかのような久遠の「特別さ」に恋をするが、久遠がえりに求めているのは恋ではなく……。

こちらはうってかわって、2009年に新潮社さんから出してもらった『純情エレジー』という単行本に書き下ろした短編です。
執筆順で、もう最後の短編だった。長編の連載はまだ何ヶ月分か残ってるけど、新しいお話を書けるのはこれが最後という機会だったー
でも締め切り間際までずうぇんずうぇん何も浮かばなくて、部屋でバタってなってた時に、スカパーから流れてきたHALCALIの「Long Kiss Good Bye」のPVを見てこのお話を思いついたのでした。歌詞はこの話となんんんも関係ないんだけど、HALCALIのオシャ感!! 夜景! セトゥなさ! が全てをくれた。そっこーでCD買って書いてる期間中ずっと聴いてた!(はず)
オシャね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。本当私好きなんですよオシャBOYオシャGIRLオシャ的世界。自分が真逆だから憧れてる。生まれつきレベルで憧れてる。できればそういう話ばっか書きたかった。これは主人公ふたりがド田舎出身っていう設定によってなんとか自分に寄せて書いたオシャ話です。そういうお話を最後に残せてよかった。
正直今読んでもめっちゃ好きですごめんなさい。今回リリースした短編の中で、だんとつ他人様にも読んでほしい……。

「スイカの秘密を知ってるメロン」

どうしてセックスと結婚以外に男の人とつながる方法はないんだろう――。
田舎の電子部品工場で働いている澄果(すみか)には秘密がある。それは幼馴染みで既婚者のまさひこと身体の関係を持っていること。ふたりはまさひこの家のスイカ畑で欲望のままに逢瀬を楽しむ。
まさひこは妻よりも自分が好き。自分も誰よりまさひこのことが好き。澄果にはその自負があるが、いつまでも同じ関係のままではいられなくて……。二十二歳の夏の岐路。

これも単行本『純情エレジー』からです。でもこっちは書き下ろしじゃなくて、先に「小説新潮」の官能特集に載せてもらった。だから官能小説(のつもり)です。とはいえ小説新潮は18禁雑誌じゃないから、今回のアダルト判定はAmazonさんにまかせました。アダルトカテゴリで検索した人に読まれて「エロくないじゃないか!」ってキレられても困るしw
主人公の女の子がけもののよーに何も考えてなくて、そしてやっぱり何も考えてない既婚者の男と遊んでて……という、私がしばしば書いてたネジが1本飛んでる欲望小説みたいなやつ。官能小説っていうか欲望小説だよなこういうの。ほんと。
ほとんど需要ないニッチな小説だって知ってるけど、書きたくて書いたものだからこうやって残したんだと思います。。。デビュー作で好きになってくれた人以外には決しておすすめはしません。ええ……。

いっぱい語ってしまいましたうふふ

こうして振り返ってみると、なんか「読まれたいものを残した」とかじゃなくて、「自分が書きたかったやつを残した」ですね。前にやって頓挫した電書プロジェクト。
だから頓挫すんだよ! って思いますけど……。でもそういうのも、セルフ出版だから、いいか^^ っていう気もします。ここは趣味ゾーンだからね。仕事じゃないから。
前の記事で軽く紹介したばかりですが、仕事ゾーンのKindle短編も貼っておきます。

「銀縁眼鏡と鳥の涙」

写真が好きなリア充BOY・鳥山は、高校に入学すると写真部に飛び込む。得意分野は人物、カメラを向けるとみんな笑顔になるから写真が好き。そう思っていたけれど、中学時代の作品を先輩に見せたところ、返ってきたのは「スナップだよね」という言葉。いっぽう、写真部には天才と特別視される地味BOY・濱崎先輩がいて――。
圧倒的な期待とうっすらとした不安の間で揺れ動く、高校生活の始まりのお話。

引用みたく処理しましたが、これは概要の写しじゃなく私が今書いたあらすじですw
リリース当時の紹介記事にも書きましたが、地方の高校が舞台のいわゆる「青春小説」で、スタンダード・オブ・おれの小説。的な内容になっています。上の3本みたいに好き勝手はしていない!
でもこれはこぉ、枠内でも案外好きに書けたみたいな……競技のルールの中でできるかぎり好きなことができた。みたいな手応えのあった短編なので、電子化していただけてとても嬉しかったです。ぜひダウンロードしてみて下さい〜。

最後になりましたが。
今回Kindle化した3作品について、「パブー」で既に買って下さっていたみなさま、ありがとうございました。Unlimitedに参加するためには、Kindle独占配信を選ばねばならず、そちらを残せなくてごめんなさい……!
それから、「パブー」でのセルフ出版時に配信OKを下さった講談社様、新潮社様、ありがとうございました。お陰様でまだ短編を読んでもらうことができます。改めまして御礼申し上げます。