もうなんでもありだよ卒業旅行・山口篇

というわけで、新山口駅で乗り換えて、「湯田温泉」へ。
ここは「新山口」と「山口」の間の駅ン中では大きいほうらしい(駅員いるから)。
じゃ、温泉街もきっとにぎわって……
と期待して駅を出たところ。
住宅街。
なんかもーどこにでもあるよな、道路沿いにのみ民家が密集した田舎の住宅街。
しかしここは温泉のハズ!!
だってここ「湯田温泉駅」だもの、徒歩圏内に温泉がなかったらサギ!
とりあえず駅を出たとこに町内の略図があったので、近寄ってみる。
……と、そこで目についたのが、駅を出たとこ両側にいる二人のイケメン(推定)の存在。
彼らは手ぶらでありながら、電車を降りてくる人々に目を走らせている。
これは……罠だっ!
ひとり旅の独身女性をひっかけるためのわにゃにゃのにゃ!!
動転する自分。略図をよく見もしないで駅前を飛び出す。
観光案内所の方向だけは頭に入れてきた
……ものの、歩いても広がるのは地元民の日常ばかり。
通行人ほぼゼロ。
酒屋のおばさん、店の中で近所の人と立ち話ちゅう。
そろそろ頭に叩きこんで来た略図の目印、ローソンが見えるはずなのに。
コンビニなんかねーよ! あるのは「塩見酒店」だけだ!
しかも動転したせいで荷物ロッカーに預け忘れた!!(ロッカーが存在したかわからんが)
重いよ重いよ。全然つかないよ。
あきらめかけたところで、やっと大通りに出る。
旅館がぽつぽつ見え始め、案内所もハッケン。
案内所で「日帰り入浴できて、タオル貸してくれるとこありますか?」って訊いたら
ハイドーゾとすぐ日帰り入浴可の旅館&銭湯のリストと地図が出た!
すごいよ山口市! これには感激。
結局一番無難そうな大型日帰り温泉に行くことにする。
旅館って、概して若い客にやさしくないもんね。
まあヒヨッコの来るとこじゃねえ、てこともあるのでしょうが。
温泉が似合う貴婦人になったらちゃんとした旅館行こーっと。
温泉の前に、中原中也記念館を見ようと思ったんですが……
行ってみたら「展示入れ替えのため15~17日休館」のはり紙が!
年に3日(か、それ以下)の臨時休館に当たっちゃったのか。イヤ~~~。
23歳最初のアンラッキー。
さっさと諦めて、大型入浴施設に行ってみたんですが……
ひと目見て「これは温泉じゃねえ、健康ランドだ」と悟る。
中身も健康ランド。客は見るからに地元のおばあちゃん。
でも中身は温泉だもん、お肌スベスベになるもん。
てゆーか中原中也見らんなかったぶん、3時間入り倒してやる!!
心に決めて大浴場へ。
ほんとに入り倒して来ました。
途中、休憩室でお年よりに混じってだらんとしてたけど。
おばあちゃんミカンとか持ち込んでんのな!! 食品持ち込みお断り、って部屋の真ん中にフダつったってんのにな!
あーゆるいなー。ゆるいよもー。
くつろぎまくった後、タクシーを呼んでくれるかどうかフロントに訊きにいく。
すると、壁に手書きの湯田駅時刻表が貼ってあったのが目に入った。
手持ちの時刻表ちょっと古いやつだから一応確認のため……
と見てみたら、16:41の文字を発見。
えっ!! あたしの時刻表では51分なんだけど!!
タクシー呼んでもらってばたばたと玄関を出る。
でもタクシー来ない。目の前の道路も、横にある信号の待ち時間が長いせいか詰まり気味。
時計は28分を指している。
歩けば良かった! 温泉に入っていい気分のトコ歩きたくなーい、とか思ったのが間違い!
この電車を逃すと後がない。寝台乗れなくなる。
新幹線ももう東京まではないんじゃ……。てかお金が足らんよ!
もう待てない、フロントに謝ってお金預けて駅まで走ろう、
と思ったところにタクシーとうちゃく。時計は30分をまわっている。
「あの。あと10分で湯田駅に着きますか?」
運転手さんに訊いたら、「この信号抜けれればね」との答え。
やっぱり横の信号は長いトコだったらしい。赤から変わる気配がない。
そしたら運転手さんが「じゃあ今のうち560円出しといてよ」と。
ああそうだ、1分1秒でも惜しい!!
ありがたく、信号待ちの間に料金払わせていただく。
席にぶちまけてしまった荷物も、持って飛び出せるように整えておこう。
と思ってシートの上に目を落としたところ、なんだか荷物が多い。
んん?
冷静に見てみると、ななななんとさっき温泉で借りたタオル一式の入った手さげが!!
「あああああ(←奇声)おんせんのー!」
かえしに戻ったらタクシー料金倍、なのはまだしも、電車はみおくり確定。
したら運転手さんは、
「ロッカーの鍵は返したんですか? ああ、じゃあ大丈夫ですよ、これは私が預かっていきますから」
とニコヤカに言ってくれたんです!!
「すみませんすみませんありがとうございます!!」
謝っても足りないよ……お金持ちになったらまた来てタクシー乗って
「これ、とっといてください、ぴらり(←お札)」
ってやるよ!! わーんわん。
運転手さんのおかげで、35分頃には駅に着く。
重ねてお礼を言ってタクシーを降り、駅の時刻表を確認すると……
……アラ?
「新山口」方面の列車は54分。
41分の列車は逆、「山口」方面。
あ。
間違えた、と思ったのが間違いでした。
ごめんなさい。
ミクロサイズになってしまいたいよ、もう。
ていうか山口県全体に謝りたい。
ごめんなさい。
せめて宣伝させていただきます。山口の湯田温泉はステキ!! って。
あらそういえば手がスベスベ~。スベスベ~。
イケメンは結局なんなのかわかんなかったけど……。
「罠」は被害妄想か?
でもあたしみたいに「なかはらちゅうやなかはらちゅうや」って
迷い込んでくる文学マニア・もしくは文学マニアくずれの女性一人客がワンサカいるのかもしれないし。
イケメン(推定)は、中原中也に似ても似つかない茶髪男子でした。