オレンジレンジの世界との距離(6/24)

オレンジレンジの夏ソングが出ましたね。
これがテレビから流れるようになると、なんだかぼーっとしてしまいます。ああ、この世にはオレンジレンジの夏ソングをBGMにして男女4人で海へ繰り出す若者もいるんだろうなあ、と思って。たとえばヤスコとヒトミとリュウジとハジメ、とか。
ヤスコはよく日焼けしてよく笑う天真爛漫な女子で、ヒトミのまっしろい肌と小さい顔をうらやましいと思ってて、でもうらやましいとか表に出さないもんみっともない、と唇を噛む。ヒトミはわりと口数少ない、でもなんかクールに見える美女で、髪なんかさらっさらなんだけど、なんか毎日退屈、みんなと話あわせんのもうやだなあと思ってるくせに結局笑う。リュウジはヤンキーの両親から生まれたネオ・ヤンキーで、ちょっとカッとなりやすくて男子からはあんまり好かれてないけど女子にはモテる、日々OK俺ってOK、でもウチの親みたいに地元に落ち着くなんてだせー、いつか東京に出てなんかビッグなことしちゃる、俺なら絶対できる、と自分を過信気味、車の運転もちょっと飛ばし気味。んでハジメはリュウジと対照的に、農家の長男で根も葉もいいやつ、でもモテないから幼なじみのリュウジにちょっと劣等感、もう俺「いいひと」やめたいんですけど、うん明日にもやめる、とりあえず次にリュウジが俺をバカにするようなことを言ったらちゃんとキレるんだ、と昨日決心した。
こういう4人がそれぞれの思惑をつめこんで、でも真夏の海に似合う晴れやかな顔でドライブ! 
……というバックに流れてるのがきっとオレンジレンジの夏ソングなんだよ。よ。
私は男の子と海に行ったことが一度もありません。
強いて言えば、小学校六年生のとき夏休みの町内行事で海、というのに参加したことがあります。が、その日の海は見事に大荒れ、予定を変更してみんなでプールに行ったものの、海が大荒れでなくとも私は生理期間にブチ当たっていたので(じゃあ行かなきゃとかったと思うんだけど)ひとりでプールの玄関にしゃがんで、タイルのマス目に沿って這うダンゴムシを人さし指で通せんぼするのに夢中でした。夢中になるあまり、途中でダンゴムシをぷちっとやってしまい、どうしようもない罪悪感に襲われたことがある意味忘れられぬひと夏の思い出。
そういうわけで、オレンジレンジの流れる世界は何万光年もの彼方です。ヤスコとヒトミとリュウジとハジメのドライブは別次元のお話です。
あーヒトミになりてえ。1日でいいから「あっち」の住人になってみてえ。
とか書くと、同情心から海に誘ってくれる人が現れたりするんですが、健康上の理由から無理です。海へのドライブ。しかも私は、この私としてドライブに行きたいんじゃなく、楽しい毎日をおくってるくせに「退屈」とかぼやいてる、愛想笑いの上手な美女のヒトミになって海へ行きたいんです。
こういう無理なお願いをかなえてくれるのは結局小説しかないんだよ。わかってますよ……。