セツナカナイカナ?(5/9)

最近、ちょっと前に買った少女マンガを再読してきゅーんとなる、という行為にハマっています。
なぜか知らないけど、ここ1年ちょいくらいで音楽も本もなんもかんもしみるようになって、少女マンガも現役時代(であるべき頃)の5倍くらいしみわたるようになってしまったのですよ!今日もふと思いついて棚から出してみたマンガがもうめちゃくちゃよくって、イヤーン! っていうほどムネに来たので、ここで紹介しちゃおうと思います。
こがわみさきさんの『セツナカナイカナ』
リンク先のエキサイトブックスでは画像が出なくて残念です。絵、すっごいかわいいのに!
表題作を含む5編の短編集で、いずれの短編も初出はスクウェア・エニックスの『ステンシル』という(今はないらしい)コミック誌です。
スクウェア・エニックスっていったらアレですよね、ドラクエでFFなばりばりのゲームの会社ですね。その、ばりばりのゲームの会社が、やっぱりゲームのファン層を中心ターゲットにすえて出版事業をやっているのですが、そこで少女マンガ誌を立ち上げよう! ということになったのが数年前……(正確にはおぼえてません)。なにもおたくで少女マンガをやらなくていいじゃないっすか! 無茶だよなー、ぷぷぷ、と思いながらも気になって買ってしまったその新しい少女マンガ誌に描いてらっしゃったのが、こがわさんだったのです。
「なにやったらいいのかよくわからんけど、少女マンガっぽいものをかたっぱしから入れてまえ!」的なカオス臭のするその雑誌で、こがわさんの作品は、ひとつだけすっきりとはっきりと、五月のそよ風のように「少女マンガ」としてたたずんでいました。それは決して、ありきたりな少女マンガだということでなく。
表題作の「セツナカナイカナ」では主人公の女の子に人の心を読む力があったり、「マチコの心のへそ」という短編では出だしに主人公が記憶喪失になってしまったりと、ファンタジー要素が入っているのですが、それが感情移入への壁にはなりません。むしろ共感しっぱなし。出てくる男の子が「わかる」からです。単純にマンガのなかの男の子でなく、「わかる〜、こういう人いる〜」って思わされちゃうのです。雰囲気が伝わってくるんですね。
そしてその「あるあるいるいる感」に、自然に好意を足しちゃうのがこがわマジック! いつの間にか、その「よくいる感じの男の子」を好きになっちゃうのですよ、こっちも! 主人公の女の子と一緒にね。
それって少女マンガとして当たり前のことなんだけど、簡単なことでは決してないと思うんです。しかもだいたいが30ページくらいの短編ですからねえ……。そのなかで、共感の魔法をかけるのはすごく難易度が高いはず。
また、こがわさんのマンガのもうひとつの魅力として、「ほのぼのしたお話のなかに、ちっちゃいトゲが入っている」ということがあります。登場人物はだいたい、かわいくていい子なんだけれども、そのなかに後悔や不安がちゃんと入っているのです。お話の明度は高いんだけど、痛いところは痛い。うーんステキ。
もうっ、文句ないじゃないの! というマンガなのですが、もひとつオマケに、舞台が雪国の田舎です。個人的にツボ! 雪のない季節を描いたお話もあるのですが、表題作では主人公の女の子が雪かきをしています(つーかこの短編は雪かきの話、っていうハショリ方さえできるよ!)。友だちと一緒に読んで、「この人は豪雪地帯をわかってるね」とニヤリ、してしまったこともあり。
おすすめです。っていうかさ、「セツナカナイカナ」っていうタイトルだけでもういいでしょ!
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たまにこうやってマンガ紹介をできればな〜、と思うのですが、
ちょっと見通しがたたないので、カテゴリは「雑記」にしておきます。
もしこういう書評みたいなものが溜まってきたら、別カテゴリにするかもしれません。