イベントQ&A 豊島個人宛て 後編

上の記事に引き続き、名古屋での「文芸あねもね」トークイベントで
お答えしそびれた質問について、Q&Aを掲載しています。


●この1年余、なにをしてらっしゃいましたか? お料理は、まだされてますか?
連載等、小説を書く仕事を終えてからは2年以上経っていますが、ここ1年以上は別の仕事に就くために動いていました。具体的には差し支えがありますので内緒です。「小説新潮」のエッセイには書きましたが試験みたいなものに何度か落ちています。その間料理はぶっちゃけさぼり気味……でしたがとうとう逃れられなくなり、最近(「あねもね」完成後の超「最近」)は多少やっています……。もうちょっとやりたいです。
●書くこと以外のお仕事もやってみたいという豊島さんですがこれからやってみたいお仕事って何でしょうか?
何の試験を受けていたかは秘密ですが、それとまったく別なところで、いつか人の話を聞くことに関わってみたいなぁと漠然と思っています。「心のケア」とか「誰のためにもなるような話をヒーローから聞き出す」とかそういうのと別な種類の、「話を聞く」です。なんだろう……。前から趣味でやっている占いとかは結構近いです。おしゃべり+その人だけが持つものをひっそり聞かせてもらう、聞き出しちゃう、みたいな。でもこれは遠い夢でしょうねー。占い含め、世の中の「話を聞く」仕事の大半は、自分がしょわなくていいことをせおってしまうという負の側面があると思います。まだそれを引き受ける覚悟がありません……。もしかして「仕事」にはしないほうがいいのかもしれません。
でもそれと少々関係して、一度は接客系のバイトをして、対人スキルを今よりましにしたいと思っています。小説家をやっている間、人に会ったなぁ! という経験がかなり少なかったので、人に会いたいです。毎日違う顔を見られる仕事に相当憧れがあります。
●お話になれればで良いのですが、休養に至った経緯がなんかもやもやしてよくわからないので、お話頂ける範囲であれば伺えると幸いです。
「原因」じゃなくて「経緯」ですよね。かいつまんで言うと、著作が売れない→売れるために色々しようと思う→色々してるうち行き詰まる です。ブログやエッセイに何度も書いてますが、嘘とか書きたくないことを書くところまでは行きませんでしたから、著作の中に否定したいものはないです。
でも今も、売れるためには(作家を継続できる程度の売上を出版社に返すには)私の場合は嘘を書くしかなかったんじゃないかと思っています。そうとしか思えないのが自分自身の行き詰まりによるものだったかもしれない、と考えることはありますが、その行き詰まりを打ち破るほどの新しい経験や、考え方は、あの(作家としての)生活の延長には絶対存在しなかっただろうなとも思います。そして今現在も、新しいものをまだまだ吸収しなくちゃと思っています。
●どーしても書きたかったけど企画ボツでお蔵したアイディアがあったら差し支えない範囲で教えてください。
ぶっちゃけ系人気ブログ「男だったら自分で立てろ!」を書いているみさおちゃんという風俗嬢が主人公で、ブログが書籍化された後彼女は夢だった作家デビューを果たし風俗から上がるのだけれどとりあえず1作目の小説は全然売れず、へこんでいたところに国の軍隊から「ちょっと一緒に戦地行ってレポートブログ書きません?」「帰ったらマスコミ操作して売れっ子作家にしてあげます」と言われて国外の戦地へのこのこついていく……ところから始まる「従軍作家」もの。既発の作品で言うと「ハニィ、空が灼けているよ。」と同じ、現代なのに軍隊と戦争がある設定の小説です。でもみさおちゃんがおバカで呑気で流され屋なのでそんなにシビアなテイストじゃなくなる予定。だった。
すんません実はボツにされてはいません。自分でボツにしただけです。

以上です。
質問をお寄せ下さったみなさま、ありがとうございました!
なんかね、この質問に答えているうちに、
「うぅ、もっと日頃考えていることを喋りたい」
「もうブログに雑記書き散らかしてしまおうかな?」
「でもそうするとすぐ『ほんとは作家に戻りたいんだろ、あ?』って
 言われてしまう〜」
「なんかそう言われずに好きなことだけ書く方法はないものか」
とか考えてしまいました。
読んで下さってる人がいるんだなあと感じたから。
でも冷静に考えると、今、人に見える場所で継続的に文章を書くというのは
やっぱり間違っているような気がします。私の立場では。
どういうやり方をしたって、それは「作家に戻りたい」ようにしか
受け取ってもらえないから。
私がまだ別の仕事をしていないから。
逆にもし私が看護士や花屋をやってしっかり業務を遂行していたとしたら
(やらなそうというか、もっとも自分にできなそうな仕事を例としてあげてみた……)、
どれだけの量、日々考えていることを書き綴っても、
普通には、「その仕事辞めて作家に戻りなよ」
「あなたは文章のほうがいいよ」とは言われないと思う。
だから、バイトであれなんであれ、別の仕事に就いたと報告できるまでは、
ここで日々感じたことを書き綴るのは控えたいと思います。
本当は言い散らかしたいこといっぱいあるけど〜
(今朝まで読んでたよしもとばななさんの『ジュージュー』が面白かったとか
 「星星峡」の藤堂志津子さんの連載エッセイの今号のやつ、
 あれに書いてあるの相当不思議な現象だよねとか)
すべてはお預けだ!
今はPCに向かってひとりでムニュムニュ書いているのと
別のことをしたほうがいいと思ってます。
て、いうかせざるを得ない!!(汗)
上のQ&Aに書いたよーに、私は今どうもひとりでいるのが絶対マズい気がしています
(結婚とか恋愛とかそういうジャンルの話ではなく、仕事上)。
作家の時はひとりだった。
創作の孤独とかそーゆー話ではなくって、なんか……なんかね。
だめなひとりっぷりでした。
読んでくれる人の顔も見えずひとりぽっち気分もりもり
な世界にもう戻りたくない! と思います。
むしろもりもりだったことごめんなさい。
今回のイベントで読者のかたにお会いして、なんかまじ……ごめんなさいと思いました。
でも今作家に戻るとまーたソッコーひとりぽっち界の住人になってしまいますたぶん……。
なんだあのひとりぽっち界は!?!!
ひとりぽっち界コエー!!!!
また……何が書きたいのかわからなくなってきたぞこの記事。
だいぶ長くなってきたのでとりあえず後日仕切り直します。すみません。
(っていうか前の日記で「近況報告していく勇気が出ました」って書いてるのに
 それに矛盾したよーなことを書いているし……。すんません。
 近況がまったくわからないようにはしないようにしようかなぁとも思ってます)