目が合った本の話の続き(10/30)

(一応上の記事をうっすら受けている)
というわけでひさびさに「青空文庫」をほじくり返したりしている私です。
主に種田山頭火の著作をほじくり中です。
山頭火! 見たら長〜い日記みたいなのんが大半だけど、
iPod touchならちまちま読み進めていけそうな気がするぅ
というわけで「行乞記」をダウンロードしてみました。
「私はまた旅に出た、愚かな旅人として放浪するより外に私の行き方(※)はないのだ。」
<※元ファイルママ>
から始まる。
いきなりなんですかその壮大な決めつけwww
でも私もちょっと放浪して生きたい。
多分男に生まれてたら山頭火に傾倒して
今くらいの年で「オレ版行乞記」書こうとしちゃったと思います。
結構……かなり……山頭火の句が好きだ!
別に詳しくないけど、なんかの機会で目に触れると「好き!」と思います。
まつすぐな道でさみしい
ていうのを3年前くらいにテレビで見て、その次の日図書館に走った思い出がある。
(図書館じゃなくて書店に走ってくれ。と思われるかもしれませんが、
 その時もう家が神奈川の、大船より向こうだったんで。地元の書店よりは
 図書館のほうが充実していたのですよ資料が。)
あと山頭火っていえば禅僧だよね。
にわかに禅にハマっているわたすとしてはこのタイミングで読めてwktk
青空文庫に、「夜長ノート」という短い文章があって
http://www.aozora.gr.jp/cards/000146/card48264.html
どういういきさつで書いた文章だか、これだけではよくわからないのですが
(それこそ秋の夜長に考えたようなことがバラバラにつらつら書いてあるのみ)
>いつまでもシムプルでありたい、ナイーブでありたい、
>少くとも、シムプルにナイーブに事物を味わいうるだけの心持を失いたくない。
こことか
あなた100年近く早かったよおおおおおおお! 
と激しく思いました。
今ならこういう思想の人は書店のひらだ……
平台(ひらだい)とか言ってる時点であれだけど。煩悩に踊らされているけど。
山頭火は別に平台に本を置きたくないと思うけど。
とにかく山頭火ラヴィー
あと青空文庫では会津八一が気にナル。そんなに数がないみたいだけど。
どんな文章があるんだべな?

ってここまで電子書籍関連の話ひっぱってきましたが、
こっからはリアル書店で会った紙の本の話です。
前回更新時にこのブログで書いた、書店で目が合った本!

これでした。
デザイン系の本が置いてある棚でねー、出会った。
私は、なんか気合い入れたい、元気もらいたい! って時に
デザイナーさんの本を読むことが多いです。
なぜでしょうね、「そうそうそうそう!」ってうなずきながら
どっかガツンとやられたり、そういうのって、デザイナーさんの本が割合的に多いです。
デザイナーという職業に対して私の尊敬度が高い、ってこともあるけど
やっぱりものを伝えることに気を払っている人たちだから、
著作も直球勝負が多い。「これを伝える!」って気持ちに満ち溢れているものが多い。
と個人的には思うのです。
そんで「逆行」。
書店で目が合ったあと、棚から抜いて表紙を見てみたらびびびと来た!
そして目次を見てみたらすでに笑えた!!
著者の、デザイナー尾原史和の、自伝なのですよねこの本。
プロローグによると、尾原さんはまだ35歳。
35で自伝とか……書いちゃう人私大好きだよ?!
あと、無謀な引っ越し魔らしいのと、語り口が超ラフなのが気に入って。
(だって◯◯だろ? だから××なんだよ。とか終始そんな感じ)
それ1冊持ってレジ直行しますた。

最後まで読んでまず思ったこと……
この本は大手出版社から出せるタイプの本のじゃないな。
ってこと。
ミシマ社、という出版社さんから出てる本のようですが。
何しろ著者があとがきで
>いやあ、何を書いちまったんだろうね、俺は。
>デザイナーなんだからデザインの話とか、もっと社会とうまくやっていける方法を書いてほしいよ! って言われるだろうなぁ。
ってしょっぱなから言っちゃってるくらいだからwww
つまりデザインの話とか、
一般の人間でも明日から即会社で役に立つこころがまえひとこと! とか、
デザイナーが業界内でうまく渡って行くおいしいコツ……とか、
この本には(ご本人が言うほどでもないと思いますが)あんまり入っていない。
結構な「俺本」。尾原さんが昔どういうことをしてきて、
今どういうことをしているか、その背景にどんな考えがあるか、ってことが
書いてあるのみです。
「そういう本に需要を持たせるにはもっとフックがほしいね!」
とかって絶対大手では言われると思う。手を入れないと出版ゴーサインが出ないと思うww
でも、私には、面白かった〜〜
「なんの本?」って言われたら、「尾原さんて人の本」と答える。
それでいいじゃないと思う。
それがいいじゃないかと思う。
著者の経験と考えがぎゅと本に詰まってるし、読んだ後は会ってきたような感じがする。
というかですねー、私前回思い切り、「著者を知らない」みたいなこと書いちゃったけど、
尾原さんはL25のデザイナーさんでした。
向こうは私のこと知らないと思うけど、こっちは紙面で毎週毎週
尾原さんのデザインに会っていたわけだから、知らないってこたないよな!
てーか私はあの誌面デザインがとても好きだった。
本屋で目が合うのなんて当たり前って話よ。この本のデザインもご本人だし……
わー赤っ恥。
読んで、いっぱい、好きだったところあるけど、
一番ドキッとしたのは、「仕事」というものについて書いてあるところです。
> ごはんを食べるためだけだったら、俺は野菜や米を自分で作る。
> というのが俺の仕事観である。それらを買うためにデザイナーの仕事をしているわけではないと思う。よく「〜で食っていく」という表現をするが、俺にとっては「社会との接点を繋ぎ止めながら自分のやりたいことがやれる」というのが仕事に代わる表現であり、それがたまたま自分はデザインに関わることだったにすぎない。
(引用以上)
ここを読んで、
あー私、ごはん食うために野菜や米をつくりたいタイプぅぅ……
って思いました。
一宿一飯と等価交換になる仕事を延々と繰り返したいなぁ
って最近ちょうど思っていたところで。
体力的に農家はしないと思うけどw、でも、
「まかないがつく仕事やれたら嬉しいなぁ……」
「とにかく生活できて、それが飯と宿代ぶんくらい人の役に立っていればいいなぁ……」
って感じるんです。
ってここは自分との違いを感じたところなんだけど、でもすげー印象に残ったな。
仕事ってなんなんだ? 何が自分にとっての「仕事」なんだ?
(適職は何か? とかいう意味では全然ないよ)
ということを考えさせられました。
同じく、自分に引きつけて考えてしまったところでは、
(本の中ではすごく離れている、全然違う話なんだけど)
> 自分で経営してわかるようになったけれど、会社というのは無理やりにでも成長させなければならない。株式による資本主義経済では、すべての会社が成長し続ける状態をキープしなければいけないわけで、さらには成長し続けることができるものしか生き残れない仕組みにしなければならないわけだ。その構造とは違う、それに代わる仕組みはないのかなと考えるのは当然のことだと思う。
ここだなぁ……。
「それに代わる仕組み」を試してみたい……というほうに話がつながっていくんだけど、
ほーんと。
尾原さんに比べたらしょぼい話なんですけど、私、
絶対「会社を大きくするために」働くのは無理ぃ……(泣)
って思います。
なんか……もっと……ただ生活していこ☆ みたいな感じですね。。。
まあ、もう正社員無理ルート入ってますから(人生が)
そういう心配はしなくていいんだけどね。
『逆行』は、ご本人の経験や思想を語ってるだけの本なんだけど、
同時にすごい根本的な部分を揺さぶってくる本だと思う。
8章はなんか嬉しかったなぁ……
こんなこと考えている人いるんだ! って。
うーん、なんか焚きつけられたい人は読んでみて下さい。
な本です。
水瓶座の男子に特におすすめw
書評とも言えないヌルヌルな文章を読んでくださり、ありがとうございました。
文芸あねもね公式ブログでは、
「あねもね」にも参加した三日月拓さんの
『きのうの家族』の紹介記事を書いております。
何か面白い小説を探していらっしゃるかたは、
そちらにもぜひお目通しくださいませ。