鶴は病みき(2/10)

話が変わるので記事を分けてます。
岡本かの子の小説を読んだよ。
青空文庫作品で評判の高い「鮨」をまず読んで
「うめえ! なんだこのひとうめえ!」と感じ
他の作品も読んでみた。
「鶴は病みき」……
芥川龍之介を描いたということが発表当時からバレバレだったという
モデル小説(作中の「麻川荘之助」が芥川だとされている)。
これっがもう
作家という人たち(岡本自身を含む)のめんどうくさいところを
これでもかというほど煮しめる感じに進んでいき
ああああっほんとめんどくさい作家って人種はめんどうくさい!!
と身体をよじりながら読んだんだけど最後に泣かされた。
あらすじ的には、まだ「小説家」という肩書きでない岡本かの子が、
夫とともに逗留した鎌倉で、たまたま芥川と一ヶ月ほど同宿した、
ほぼそれだけで終わるんですが。
強烈な憧れと憐憫の入り交じった目で彼の姿を観察し
彼との交流を記録している。岡本の目を通した芥川観察日記なんです。
まーどれくらいホントかは知らない。
ほぼ本当とされている……らしいけど真偽はあんまり気にならない。
それよりも、なんていうの、人間同士の間で興味が生まれて流れてぶつかって
また別れていくことの、胸のぎゅーっと詰まる感じが生で伝わってくる作品だと思います。
恋じゃないんだよ!
でもなにかあるんだよ!
わかるー
「鮨」という作品のほうも、男女間でぴぴぴと来るものの正体の解体が試みられていて、
岡本かの子ってそういう作品をいっぱい描いたのかな? と思いました。
だとしたらもっと読んでみたい。

ちなみに「鶴は病みき」を読んだ後ちょっと芥川のことを調べて、
彼を見る目が結構変わってしまった……。
悪くは思わないですけど。なんか、なんかね。。。
あと岡本かの子を最後まで認めなかったという谷崎潤一郎についても
私の心の中でひっそりと印象が変わりました……。
高校生くらいの時って、文豪って人たちを絶対のものだと思っていたけれど、
大人になると、また見方が変わってきますね……。
ぶっちゃけ若い頃は「作家の自殺」ってやつにちょっときゅんとしてたけど
今は普通に「死ぬなや……」と思うし。
あと、文壇での政治力みたいなものがぼんやりとですが推測されてきて、
そういうのと作品評価の関連についても、いろいろいろいろと思うところが
なくはなかったりもしなくもなかったりします。
ささいなことだけど、芥川と岡本かの子は誕生日が同じなんですね(生年は違う)。
星占いが趣味の私はふーんと思いました。