世界のサネアツ・上 サネアツの庭篇(11/12)

上の記事のゆるい続きです。
長文を目立たないようにするため、日時を変更して投稿しています。
京王線仙川駅に降り立つことになった私と友人。
しかし遠い……私んちがどこだかは秘密ですがとりあえず仙川は遠いんです!
私「せっかく仙川まで行くんだから、早く行って散歩でもしない? 
 天気もいいし」
という話になるのは必然でござーました。
友「でも、仙川に散歩するようなところってあるかな……?
 芦花公園で降りたほうがいいんじゃない?」
私「学園の近くじゃなきゃいやだ!!」
ともに地図を開く……。
すると仙川駅周辺で唯一緑地っぽく記されているのが……
実篤公園
実篤といったら、他の誰でもなく武者小路実篤なんだろう……。
でも地図上の公園は決して広くない。
そして実篤がどこ生まれでどこで死んだか知らないが
日本中あちこちに「ゆかりの地」がある人間なのを私は知っている……。
私の頭によぎったのは、大学のひとり卒業旅行で行き損ねた
中原中也記念館……の傍にあった小さな公園
中原中也の詩碑(と足湯)があるので、湯田温泉の観光マップには紹介されていたものの、
とりあえず小さかった……
詩碑以外何もないのでがんばって足湯をつけた感だった……
(湯田温泉のひとごめんなさい。温泉の湯はよかった!←しつこし)
あんな感じで記念碑があるだけで、公園としての見所はまったくないのでは……。
と思いきや、「実篤公園」でぐぐってみると意外に素敵な写真が出てきたのでした!
「行くしかない! 今日行くことになってるのも何かのご縁!」
決めまんた。なにしろ桐朋学園の裏と言ってもいいほどの場所です。
もしかして地元民のみぞ知る隠れた人気スポットで、今日みたいな天気のいい日には
賑わっているのかも……と心配すらしつつ仙川へ。

駅から学園までが5分強。そこからさらに5分強歩く感じで、公園に着きまんた。


入り口ですでに東京じゃない感……。
面積的には小さいものの、これは充実した公園に違いない! という期待が高まります。
しかも入場は無料! これで無料……。
中はどんぐり系の木を中心とした雑木林。
かなり気持ちのいい場所です! 
もみじの木もあり、これから紅葉の時期にはさぞかし良かろうという雰囲気。
私たちのテンションは一気にMAX!!
しかも混んでるどころかひとけがない! ところどころにご老人の方が
2、3人のグループで歩いている程度です!
カメラ男子×フォトジェニック女子のカップル(チッ!!!!)や老人会らしき団体客と
狭い道ですれ違いまくらなくてはならない等々力渓谷と違い、
都内でもマジマイナースポットである模様。
公園は入り口から一本道の下り坂になっていて、少し下ると
武者小路実篤が70歳から20年間を過ごしたという邸宅があります。
土日、日中の数時間にかけてのみ公開されている模様……
だけどあとちょっとのところで公開時間に間に合わなかった!
つーか、ちゃんと住んだところだったって話だ実篤公園。
記念碑だけかもなんて疑ってごめんなさい……。
中には入れませんでしたが、玄関と逆サイドの部屋が
庭を望むようにして全面ガラス戸のつくりになっているため、
中の様子をよく見ることができます。
この家の写真を撮ってくりゃーよかったよ!
すごく雰囲気のいい、それでいながらこぢんまりしたお家です。
立て看板の紹介文によれば、「晩年を夫人とふたりで静かに過ごした家」
ということでしたが、ま、まじでふたりかも! お手伝いさんいないかも!
っていうレベルの面積。
私の実家より確実に狭いです。嘘じゃないです。
よく考えてみると、あの知名度でこの小さな家、
相当の考えがないと建てられない。
ただ者じゃねえぜサネアツ……!!
外からよく見られる部屋は、客間(? すっきりした和室)と仕事部屋。
仕事部屋は一目見て戦慄しました。
絵を描く机と文を書く机の比重が違いすぎて。
どっしりした広い机に飾り物てんこもり、絵筆も揃った画業用の机。
いっぽう私が片手で持ち上げられそうな、引き出しも付いてない本当に簡素な文机
(紙と文鎮しか置かれていない)。
まー文章を書くのに広い机は必要ないってことなのかもしれないけど……
パッと見たときの印象は
お前作家じゃないだろ?
でした。
心の中では画家だろ?
みたいな……。
この時、画業用の机の上に並んだ飾り物の中に
「ロダン岩」なるものが置かれているのに私は気付きました。
私「ねえ、あれ、何かな? 『ロダン岩』って書いてあるやつ」
手のひらに入るか入らないくらいの小さな岩。
そこに実篤本人のものと見られる筆で「ロダン岩」と書いてあるのです。
友「……なんだろね……」
彫刻家のロダンに関係ある岩か? だとしても「ロダン岩」って書くことなくないか?
いやいやそもそも、ロダンに関係ある岩ってなんだよ?
この謎は後に解けることになります。
家を覗いてぐるりと庭をまわっていくと、小さな池に出ます。
「ニジマス池」と名付けられたその池では……ニジマスが飼われている!!
まさか東京でニジマスが泳いでいるのを見ることになるとは……。
池に続く道は行き止まりになっているので、いったん
邸宅の前まで引き返し、今度は小さなトンネルをくぐることになります。
「トンネルを二本くぐると記念館があります」
と入り口の管理棟で案内の方に声をかけていただいたんだけど、
トンネルって本当にコンクリートのトンネルだった。
市道(っぽい細い舗装道路)の下を、人が歩けるくらいの小さいトンネルが通っていて
道が次の庭へと続いているのです。
引き続き雑木林だけど、大きな池があって辺りはいっそう静かに……。




もはやここが仙川だということを忘れるレベル
(改めて写真を見ると水の澄み具合にビビる……)。
私はだんだんわかってきました。
サネアツは完全に画家だってことが。
多分この庭はモチーフやね……!!
いや、実際描いたかどうかは知りませんけど。
少なくとも自然にインスピレーションを受けることを前提として作っているね!!
だから人の手の入りようが抑えられているし
(座って休む場所や橋はいっぱいあるけど、石灯籠とかはない)。
そういえばいかにも植えたような木や花も目につかない……。
人工的な三島由紀夫の家と正反対だぜ!
池とは逆方向に湿地もあって、そちらに
サネアツの銅像もあったけど、この時期は湿地がからっぽになっているので、
適当に流すだけにしてしまいました。
大きな池のエリアからもうひとつトンネルをくぐり、いよいよ記念館に向かいます。
……予想外に長くなったわ記事が。
につづく!