銀色夏生『魂の友と語る』(12/12)

こんな本を読みました。
近所の本屋の文庫新刊コーナーを珍しくふら〜っと見てたら
ぱっと目に入って、「これは私の好きそうな本!」と思った。
で、ちょっとめくってみたらやっぱりそういう感じがしたので
実は銀色さんの本を1回も読んだことがないんだけど買ってきました。
そして一気読み。。。
「これは私の大切な友人と語った会話の記録です。」
と裏表紙の内容紹介部分に書いてあったので、
「対談集なのだな。」
「色んな知り合いと喋ったのかな。」
という程度の認識で買ってきたんですが、そうではなくて
1冊! まるっとひとりの「友人」との会話を残した本なのでした。
「友人」は特定の誰と、少なくとも読者にわかるようになってはいなくて
(会話の端々から、基本主婦なんだな、でも文章を書いたりしているのかな
 とかわかるけど、「どこそこのダレダレ」って感じではない)
だからほんとに友達とのトーク。
あと、タイトルから、友情について語った本なのかと
思う人もいるかもしれないけど
(私は中チラ見したのでそうじゃないってわかったけど)
全然そういうのではないです。
ひとことでいうと、感覚の本。
こういう感覚で生きてる。。。みたいな?
生きてるっていうと違うかもだけど。
普段、感じている感覚について、ふたりがそれぞれ喋ってて
(ふたりで完全合致しているわけでもない)
わかるわかる。こんなにわかる/わかってくれるひと他にいないよ。
って言っているような本です。
前、ナオコーラさんの文章の感想で書いたことがあるけど、
私こういう、感覚とか思考回路が自分と違う! 人の話がめっちゃ好きで、
「なにそれwwww」「ないわwwww」
って突っ込みながらめっちゃ面白く感ずる。
その中でもこの本は本っ当に感覚に特化されてる本で、
ずっとこう感じる……このことについてはこう感じる……
みたいなことを。しかも浮世離れした人たちが喋っているので
まあ、はっきり言って、誰にでもオススメするっていう類の本ではないですw
なんでもこの本は、銀色さんが、他人との会話を記録することに
凝っていた時に残した文書がベースになっているとか。
(本の大半は、2006年11月のある日の会話に割かれている。
 整理、編集せず本当にそのままテープ起こしした感じになっている。)
それはなんかわかる。友達との会話を残したいっていうのは。
私もできるなら、全部残したい、書き出してみたいもんね。
すごい、今面白い対話をしているなあ〜っていつも思ってるw
面白いというか、話したいことを話してるから。それは面白い。と思うのかな。
ただ中身的には共感するところはほとんどなかった!
(何回も書きますけど、私は共感が面白さとは限らないって人だから
 共感しなくても面白いんだよーー)
えーっと、まとめるのは、難しいです。今時間がないから
この感想も結構乱暴になっちゃってるしw
たぶんすごくパーソナルなことを……書いてくれてるんだなっと思ったから
「銀色さんの思想はこうでした!」ってガッとはしょりたくない。。。
なので、私的に1番「えええええっ!」って思ったところを
抜き出してみたいと思います。
(一般の「恋愛感情」というのがどういうものかよくわからないという流れで)
銀色「なんか、人、っていうか、男の人とか、そういう、人との恋愛的なものが遠くに感じられるのは、たぶん、他の人よりも身近に感じられていないんじゃないかなって想像する」
鳥「わたしもそうなのよ」
銀色「でも、どうも人々を見てるとね、ずいぶんと人を好きそうだな〜って思って」
鳥「あれ、だからね、さみしいからだと思う」
(中略)
銀色「そうかも。私、寂しくないもん。ぜんぜん。感じたことがない」
(※「鳥」=対談相手、銀色さんのお友だちの仮称)
さみしいからじゃねえええええーーーっ!!!!
って思いましたwwwwww
いやほんと。現役少女まんが読者としては
ここはすごい勢いで突っ込まないといけないところwww
あんまり本の中で恋愛の話はしていないんだけど、でも、わかるのは、
あーこの人たちはほんとに内面世界が豊かなんだなって。
詩人ってそういう人たちなんだなって。
フセン貼ってないのでどこだかわかんなくなっちゃったけど、
そことは別に、
他人に何かを求めなくても、雲とか花とかを見てればいいのにね。
みたいなことを言っているところがあって
(銀色さんの台詞か鳥さんの台詞かはわすれた)
え、だから、その雲とか花とかが私にとっては「他人」になるんやけど。。。
みたいな感じでした。
その時すぐは思わなかったけど、後で考えたらそうだなと思った。
(花とか雲とかも好きですけどね。)
私は子どもの時の芳醇な内面世界を失ったとかではなくて、
子どもの時から自分の中では何も満たせないっていうか。
それが銀色さんや鳥さんの文脈では
「さみしい」ってことになるのかもしれないけど……。
自分では全然そう感じないっていうか。
あんまり人前で言わないほうがいいと思うので言ってないけど
私は小さい頃の、本当に自分のたどり着きたいところ? かえりたいところ?
一番美しいと思う場所? ビジョン?
みたいなものにもう、他人が噛む。もっと言えば異性が噛んでくる。
まあそれはそれで結構特殊なことかもしれないとは思うけど。
世間一般の人もそのために恋愛しているのだよ! とか断言する気はないけど。
でも、私はそんなだから、やっぱり花とか雲とかでは
あるいは自分の中でお話をつくることでは、おなかいっぱいにならんな……。
と思いました。
それを再認識できたのがかなり新鮮でした。
やっぱり私ってたぶん他人が言うところの「創造」が
かなりできないんだなっていうのが。
これはどこかで書いたようなことあるような気がするけど、
私はだいぶ、モデルがいないとかけないんですよ。
5歳から20歳までずーっとまんがを描いてて、
特に18まではすごいたくさん描いてたけど、その中で、
描けなくなる時期が島みたいにしてぽつぽつある。
描いてもつまんないのしかできないし、そもそも
いつもみたいに描くようなテンションでない……。
「どういう時描けなくなるのかな?」ってちょっと考えたら
「好きな人がいない時」ってすぐわかっちゃったんですよーーーー
中学か高校くらいでもう気付いてしまったんですよーーー
ギャーーーー!!!!! って思いました。
それは何かで恋する季節が終わってしまったらどうなるん?? って。
こうなるよハハハと31歳の私をみせたい
まあでもこれってけっこうマジな話で。。。
私に内面世界とかはない。『魂の友と〜』でいうところの
「水晶宇宙」が「肋骨の左の上あたり」にはないw
でも「私には水晶が見えない」ってことではなくて
人との会話の中に水晶があるってことなんだけど。
自分と違う性質のものを手渡される時に脳がキラキラする!! とかってことを
前に書いているんだけど
それ……。まさに……。
でも他人の中に見ているものっていうのは結局自分なんだよ
みたいな話も『魂の友〜』の会話の中に出てきたんですけど
(その話は時によってはちょっとわかる。って感じ)
うーーーーん……。私の思うキラキラは自分から出たものではない。。。
やっぱ他者。他人て感じ。
自分の内面と呼応するからキラキラするんじゃなくて
自分の成分には入ってないからキラキラする。

なんかねぇこれ書くの恥ずかしいんですけど。
銀色さんがパーソナルな、感覚の世界のことを書いてくれたから
私も書こうって感じのことなんですけど。
思い出すだけですごーいきれいに見える人っているんですよ。
「見える」っていう感じ。だけど見た目がきれいとかそういう話じゃなく。
あと、心がきれいとかでも全然ないwwww
どっちかっていうと多分世の中的には性格が悪いと言われる部類にはいるのだろう
ってくらいの……w 人なんだけど、
あと有名でもないし何を成し遂げたっていう人でもないんだけど、
その人を思い出すとワーってなるの。なんか心が盛り上がんの。
「キレーー!!!」てなんの。
でもそれが自分の心の鏡だとは、あんまり思えないんよ。
やっぱり外部のもの。手を伸ばして触れるもの。っていう感じがするんよ。
しかしそれが自分にとっての「魂の友」ってことで
まとめたらいいんでしょうかどうなんでしょうかwwwww

年末進行の最中にこの長文。
ほんとすごいばばーっと書いてしまったのでやっぱり色々乱暴かも、
読んだ人に誤解を与えうる文章になっているかも……。
とは思います。
でも私が著者だったら この本に感想ないとつまんないなっ
と思ったので勢いで書いてしまいました……。
気になる人はこないだ紹介した
幻冬舍plusで、アプリのインストールなどなしに冒頭を立ち読みできるので
実際に読んでみて下さい。
冒頭が一番くらいに面白いww
余談ですけど、最後に内面世界の具体例としてなのか、
童話が一本収録されていて。
「まつ毛がチローンとした」って表現があって
「チローンでは。わからない。」
「私が思ってるチローンと違うかもしれないじゃん。」
って思ったんですけど、後のほうに絵がでてきて
しっかりと私が思ったのと同じ「チローン」でした。
完全別人種なのにそんなところが通じてたのが可笑しかった。