我が家の絵本つうしん②(8/24)

こんちは。豊島ミホです。
今週はフジファブリックの「若者のすべて」をラジオから2回も聴くことができて、なんか得した気分。やっぱり「なにげなく流していたラジオで」「ジャストシーズンに」好きな曲を耳にするのはいいものだ! とかいってこの曲、ことしだかきょねんだかまで知らなかったんですけど…… Spotify様様ですけど……
今年まだ聴いてない人はきくがよい!!! 8月最後の土曜日である今日のためにある曲やで!(えらそう)

絵本つうしんその②です。第1回だけ作って第2回をやれなかったりする私だが、今回はちゃんと②を書けそうだ。よかった。

・なにはなくとも『こんとあき』
前回の末尾でちょっと触れましたが、林明子の『こんとあき』! これをとうとう買いました。


『こんとあき』林明子 さく

書店の店頭で目にして、「これは絶対に買う!」と決めていました。中身を知らないんだけど。この有名な絵本の内容をまじで1ミリも知らないんだけど、表紙を見るだけでも、「小さい女の子と、彼女と一緒に育ってきたぬいぐるみのソウルメイト譚」であることがわかるので。子どもが順調にぬいぐるみ大好きガールに育っていて、なおかつ自分もがっつりぬいぐるみ育ち勢というこの私が、買わないわけにはぜったいにいかない!
タイトルと表紙から想像した通り、お話は、きつねのぬいぐるみ「こん」が、生まれたてのあかちゃん「あき」とともに育っていくところから始まります。だよね……そして「こん」と「あき」のハートウォーミングな日常が描かれるんだよね!
と思いきや、「ふたりは一緒に育った! 仲良しだ!」という設定の提示は本文の5ページ目で終わり、6ページ目でもう、こんが古びてわたが見えてきてしまいます。心配するあきをよそに、平気な顔で、おばあちゃん(※創造主)に直してもらうので旅に出ると宣言するこん。「わたしも つれてって」推定5歳ほどのあきも急いで旅支度……えっ??
全然日常の話じゃなかった! これ、すんごい非日常の話だ! ていうか、表紙は旅支度して列車に乗ろうとしてるとこじゃん!
ここから先は恐るべき試練があきを襲い続けます。他の作家さんが文章を担当した『はじめてのおつかい』は、昔の子どもの「あるある試練」を活写していたのですが、『こんとあき』のほうは「ないない試練」! ハートの防御力が今も5歳児相当の私には、こんと切り離されたあきに襲いかかる試練が、ハリウッド映画ばりにきつく感じられました。ど、ど、どうすんだよこれ!! ハッピーエンドだってわかってても超こわいよ!!
しかしあきは5歳(くらい)とは思えない勇敢さでその試練を乗り超え、おばあちゃんの家にたどりつき、こんの傷を治すことができました。ふぅ……きつかった……。そしてここからが感動のフィナーレッ
てとこで話が終わります。「そして つぎの つぎのひ、こんとあきは、うちへ かえりました。/よかった!」
え?!!?!! こんとあきが互いの大事さをかみしめるシーンは?! ぬいぐるみラブ勢を泣かせにくるパンチラインは?! まさか、ない?!!?!

なぜだろう。なぜ私はこの本を「感動本」だと思っていたのか……
いや、確かにいろんなとこで「感動本」的に紹介されているのを見たぞ。ネタバレしないくらい薄目でだけど。
不思議に思って、読み終えてから読者レビューを検索してみました。思ったよりも「泣ける」的なレビューは少なかったのですが、それでも少数派の評には、「もうあきよりも小さくなってしまったのに、どんな時も年長者のようにふるまうこんがいじましい」というような記述が。
それを読んだ時、なぜ自分の感想がちょっとズレた感じになったか悟りました。「ぬいぐるみ観」だ。ぬいぐるみ観で差が出ちまった。と。
確かに、2度ほど離れ離れになってしまうとはいえ、この物語のあいだじゅう、こんはあきを思いやり、守ろうとし続けるのです。「こんな小さなぬいぐるみが!」と思えば、それは確かにいじましい。
でも私にとって、ぬいぐるみは、人間より成熟した魂が入っているモノなのです。こんがどこまでもあきを守ろうとし続けるのは、語弊がある言い方になるかもしれませんが、「ふつう」。
結局、このお話を通して私の変な「ぬいぐるみ観」があぶりだされてしまったのでした。がーん。
ちなみに、特急の停車時間を把握しおいしい駅弁を買いにホームに降りるこんが、私には成熟した鉄ヲタの魂が入っているようにしか見えず、こんの台詞は全部ヲタ風に読んでいます。「あきちゃん、まどのほうに すわっていいよ(どや)」みたいな。やばいかな。やばいですかね。

でもでも、わたしはわたしなりに『こんとあき』がすごく気に入ったんですよ!!
なんかいろいろと突飛な話に思えるけど(繰り返すけど、片道1度きりしか特急に乗って旅を経験していないであろうこんが、駅弁や正確な停車時間を知っていることとか)、そういうところこそが面白い。いろいろとバランスの整った『はじめてのおつかい』に比べると、お話のテンポにもやや破調の面白さがあるような気がして(もちろん、王道の「おつかい」は「おつかい」でいいんだけどね!)、読むたびにそれを味わってます。
子どもも、買ってきてすぐ何度も読みたがったよ! しかし「おつかい」とおなじで、畳み掛ける試練に耐えられず「さきゅう」のシーンではページをめくって飛ばしがちです。あと何故か「さきゅう」の全景を見たがらない。私は子どものころ、憧れてたけどな、鳥取砂丘……。

・「バムとケロ」シリーズの既刊がすべて揃う
実家の父が来た時おみやげに持ってきてくれた『バムとケロのそらのたび』をもって、バムケロシリーズがすべてうちに揃いました。


『バムとケロのそらのたび』島田ゆか

「そらのたび」は、正直いちばんやばい印象だった。書店の店頭で見かけた時、小型飛行機で巨大りんごの穴をくぐるシーンが見えて、そっと棚に戻したりしてた(いずれ全部揃えるつもりではあったけど、どうせなら最後にしよう的な往生際の悪さ)。だって、世界観……??
実際読んでみても、「そらのたび」は異色作だった。前作で飛行機乗りであることがほのめかされた、遠方に住むおじいちゃんからバムに宛てて、「くみたてしきひこうき」が届く。バム&ケロ(&ヤメピ)でそれに乗る。そこまではいい。しかし、目指すおじいちゃんちに着くまで、巨大なりんごの形の山(中に超虫がくってる)だの、かぼちゃの形の山(噴火してさらに細かいかぼちゃを放出する)だの、突拍子もないオブジェクトが登場しまくり、「なんなの!?」ってなる。ほんとなんなの?! リフォームを題材にした地味~な『バムとケロのもりのこや』と同じ世界設定でいいの、これ?!
で、読む側としてはやや苦手意識が最初はあったんだけれど、1回読んだら払拭されました。テキスト量の少なさによって。
この作品、バムケロシリーズで一番テキスト量が少ない。話がダイナミックなせいか、1コマ(?)に丸1ページとか見開きとかがばんばん割り当てられて、すごい速さで話が進む。読み聞かせ側にはありがたい……(泣) それでいて、他の作品と同じように1枚1枚の絵に隠された小ネタみたいなのはちょこちょこあるしね!
結局「読むの楽だから好き」というみもふたもない話なんですけど、そうすると内容にもだんだん好意的になってきて、今では結構好きです。赤いジェット機でモグラが追いかけてきてるのに気づいたときになんかだいぶ好きになった。あれってなんで追いかけてくるの? おじいちゃんが、バムに近所の友だちがいるのを思い出して、モグラのぶんまで贈ってくれたの?

・『かばくんとたね』
前回「買ったのに読んでもらえない」と嘆いた福音館書店の「こどものとも」ですが、半月くらいかけて、とうとう読んで(=ぺらぺらさに慣れて)くれました! 今年の8月号として配本されている菊池日出夫『かばくんとたね』。

(おっと、こどものともってAmazonで売ってないんですね。福音館公式の紹介ページはこちら

この画風。表紙だと帽子かぶってるからわかんないけど、かばに髪が生えちゃってるんだよね……。おとうさんとおかあさんにも生えてるしね……。この、ねらっても出せない力の抜け具合。作者の人は私より下のニュージェネレーションだな。きっとまだ20代!
と思っていたんだけど、最後まで読んで著者プロフィールみたら、菊池さんは今年70歳になる大ベテランだったーーーーすみませーーーーん!!!!
まあ、すごくいいですよ!! すごくいい!!
主人公の「かばくん」がなんだかわからない種を植える→育てる→芽が出る→花が咲く という本当にシンプルでひねりのない筋書きですが、絵とテキストがね……。最高! 「めがでた!」のところが本当に最高!
なんか、「いい」とか「最高」とかしか言えない。なぜだ。中身が飾らなくてシンプルなので、褒め言葉もそういうふうになるのかしら。あははん。

・『ぐりとぐらのかいすいよく』
ぐりとぐら……。みんな大好きですよね『ぐりとぐら』。「でっっかいカステラがさ! おいしそうでさ!」みたいな話は、保健室とか美術部とかそういう文化系の場ではよく出てました。私も当時はうんうんって聞いてたけど、大人になってめくってみると、「……そんなだっけ?」みたいな。私これそんな好きじゃなかった気がするぞ? 外で料理するのとか、なんか片付けがめんどくさそうだなーと思っていた気さえする……。中川李枝子作品では、『いやいやえん』とか『ももいろのきりん』のほうが全然好きだったはず。。。
とはいえ、テキスト量とかお話の感じでは「今、子どもに読みたい本」ではある。むむむ……。と思っていた時、「ぐりとぐら」シリーズの中で、この「かいすいよく」が書店で面陳になっていて。「これ、知らないなー」とめくってみたのでした。すると衝撃の展開が!
知らないどころじゃない! これ、私の大好きだった本やん!!!!!!
本っていうか。正確には、4ページにある、「とうもろこしのかわをおなかへまいたびん」の絵! もう本当に見た瞬間ビビビとよみがえったんですよ! 「よくわかんないけどこれちょうすき^^」みたいな気持ちが!


『ぐりとぐらのかいすいよく』中川李枝子 作・山脇百合子 絵

子どもの頃の私はシーサイド感が大好き。テレビアニメの「メイプルタウン物語」が「新メイプルタウン物語 パームタウン編」になった時、「これだよこれ!!!!!」ってなった。山とか森とかそんなもんはどうでもいいんだよ!(生まれた環境の貴重さに気づくのは25を過ぎた後くらいですよね? みんなね?)海! ほどよいシティ感! そしておしゃれ!! 海辺のおしゃれな街の空気をもっとオラにくれ!!
てなわけで、シティ感はないけどシーサイド感はばりばりの、『ぐりとぐらのかいすいよく』も、かつての私の嗜好にかなりヒットしていたようなのでした。「とうもろこしのかわをおなかへまいたびん」以降のページはめくりもせず、いそいそと購入。
話はいきなり、ぐりとぐらが海辺で遊んでいるところから始まります。泳げないからと、砂遊びなどしているだけのふたり。しかしそこへ、びん(例の私が大好きだったびん)が流れてくる。あけてみると、中には、うみぼうずからの手紙が入っていた――。
こんな話だっけ? うみぼうずとか一切記憶にないな(あとこのうみぼうず、野ねずみとのサイズ比較だと人間の小学生くらいに見えるな……)。しかし、子どもに読み聞かせをしながらページをめくっていくと、また中盤でドキーン!!!
ぐりとぐらがたどり着いた、うみぼうずが守る小島! この全景が見えるところで、私のハートがきゅうぅぅんと悲鳴をあげました。好きぃぃぃぃいい!! この島の見た目大好きぃぃぃぃいい!!

小島というか、大きな天然の岩くらいの大きさ。「しんじゅ・とうだい」という施設で、先端にとっても光る真珠をかかげ、灯台としての役割を果たしている。うみぼうずはその真珠を定期的に磨いているようだ。

空きびんがかわいく飾ってあるところとか、カラフルな浮き輪がたくさんあるところとか、もう全部好っきいいいぃぃいい!!!
わかる?! わかりますこの気持ち?!!?? さっきも書いたけど、本当に子どもの頃の「とにかく無条件に好き」っていう気持ちが突如蘇るんですよ! 脳に! 新物質が出る!!!

ちなみにわぁとかきゃぁとかは一切騒がずに、ニヤニヤしながらも多分ふつうに読み聞かせは続けています。最初に読む本には途中で飽きがち&本に馴染むまでやや時間のかかる我々のベビーですが、この「かいすいよく」は、1度読んだらまたその日のうちに「ん」と持ってきました。テンションは別にふつうだけど。多分もっとも盛り上がるところである、「うみぼうずにいろんな泳ぎ方を教えてもらうシーン」でもじっと聞いているままだけど。とにかく馴染みは早かった。すぐレギュラー化しました。
ぐりとぐらシリーズ掘ってみようかな……。でも、読み聞かせで読むと語彙の特殊さがちょっと気にならんでもない。

そんなこんなが夏までの絵本でした。
私の中で林明子旋風が吹いている。今週買った『とん ことり』も大ヒット……というか最初の読み聞かせで泣いちゃったよ! 最後! かんどうで!
子どもにも大ヒットし、初読み聞かせ後すぐ自分でめくる→再読リクエストが入り、しかも昼寝して起きたあとさらにもう1回! みたいなすごいことになった。まあそれの話はまたこんど……。
私絵本の話すると長いっすね。この記事長すぎる……。

「こんとあき」的に生まれた直後からぬいぐるみと一緒にいるわたし。しかし実はこの犬は親の犬です。今も実家にいます。